「このバイクって後どのくらい乗れますか?」
これ。いろんなお客さんに何度も聞かれるこのテーマ。
今回は「バイクがいつまで乗れるのか?」や下取り価格や乗り換えのタイミングについて解説していきます!
そもそもバイクの寿命って?
先に言っときます。
バイクに寿命とか無いです。あなたのバイクは30万キロでも乗れます。
ただし修理金額を考慮しなければ、です。←ここ重要
どういうことか解説していきましょう。
修理代は車両金額の何%までなら出せる?
既に見出しが答えになっちゃってますが、例えばあなたが乗ってる50ccの原付。エンジンのオーバーホールや諸々で100,000円かかるって言われたらどうしますか?
直しませんよね?というつもりはありません。修理する方もおられますから。
「勿体無いから乗り換えよ」と思った方は、それがバイクの寿命になります。
あるいは新型車両が出て欲しいな〜と思っている時にそこそこ金額のかかる故障に見舞われたら?
「修理代出すぐらいなら乗り換えよ」と思った方は、それもまた寿命です。
つまり寿命は本人次第です。とても分かりやすいでしょ?

だけど乗り換えに適したタイミングもある
「そんなん極論やんけ❗️」と思ったそこのあなたに朗報です。
そうは言っても乗り換えや手放すのに適したタイミングというのは確かに存在します。
それがどんな時なのか?というのを順番にご説明させていただきます。
高額な消耗品の交換が重なった場合
タイヤ前後交換とバッテリー交換が重なった!とか、ブレーキパッド前後交換とフロントフォークのオイル漏れを一緒に作業しないと!という感じです。
仮に修理しても支払った金額以上に下取金額がプラスされることはまずありません。
乗り換えようかな?と思っているなら修理せずに手放した方が得です。

大きな故障に見舞われた時
エンジンの故障やフレームの損傷など、修理に大きな金額がかかる故障が発生したタイミングは、乗り換えるいい機会です。
消耗品と違い故障することが少ない箇所ですが、いざ故障すると相当高額な修理金額を要します。
修理しない場合下取り金額は期待できませんが、こちらも修理したところで使った金額以上に下取り額が増額することはないので、乗り換えるなら修理する必要はありません。

事故に見舞われた場合
度合いにもよりますが、事故時は普通の修理と見積もりが少し異なります。
程度や自分が修理したい意思に関わらず、その事故で被った傷や損害は全て損害額に計上されることになります。
相手が車で自分がバイクの場合、自らが道交法を守っていれば自分の負担する額は低いです。
双方に責任があるとしても7割〜9割程度相手に損害額を負担してもらえることが多いのです。
実際は乗れないほどの損傷ではなかったとしても、損害額は高くなることもあります。
状態によっては下取りで金額がつくこともあるくらいです。
そうなれば自費負担を少なくして乗り換えることも可能でしょう。

短いスパンで乗り換える
三年〜五年ほどのスパンで新車を乗り換え続ける方法です。
人気の車種であれば新車の半値以上の下取り額がつくこともありますので、半額で新型バイクを乗り続けることができます。
ただこの方法は車両をきれいに維持し、かつそこまで走行距離が伸びないことが条件です。
あまり傷が入ったり距離が伸びたりすると、下取り額が大きく落ちます。日頃のメンテナンスを怠っても同じです。
条件が厳しいので実際に実践されている方はあまり多くありませんが、ウチのお客さんにも数人おられます。
そうそうポンポン乗り換えられるもんでもない
そうは言っても乗り換えるのはお金かかるんです。短期的な出費で言えば修理の方が断然安いです。
時々バイクの調子が悪くなったと相談に行くとすぐに乗り換えを薦める店がありますが、ただ単に直すのが面倒か、技術が無いだけだと僕は考えています。本当にバイクの寿命なんてものが存在するなら、何十年も前の旧車を維持してるのはもはやオカルトの域ですね。
大丈夫、あなたのバイクは寿命ではありません。まだ修理すれば乗れます。定期点検や日頃のメンテナンスを怠らなければ、10万キロ以上走ることだってできるんです。
ディーラーで修理できなくなるパターンは存在する
散々直せないことはないと言ってきましたが、ディーラーで修理できなくなるケースがあることを言っておきます。それはメーカーがその車種の部品販売を終了してしまうケースです。
メーカーはバイクの生産が終了してから10年間は部品供給を続ける義務があります。ただし部品カテゴリによってはその限りではありません。(外装パーツ等)
部品販売が終了した場合、乗り続ける方法は大まかに二つ。
- 部品を作れる店に頼む(レストアショップ)
- 中古のパーツを取り付ける
このどちらもディーラーで請け負ってくれるところはないと思われます。(もし存在したらすまぬ)部品を一から作り出すようなショップは、昔のバイクを専門として扱っているショップがほとんどです。ディーラーとは真逆とも言えますね。
中古パーツは責任が取れないという側面から扱わない店がほとんどでしょう。持ち込みパーツOKの店でも中古のエンジンは普通断られちゃいます。
10年きっちりというわけではない
10年以後も供給されるケースも多くあります。人気車種であったり、後継車両が販売されていると継続供給されやすいです。メーカーによっても違います。カワサキのように50年前の絶版車のエンジンパーツを再販するところもあります。
あらかじめいくらまでなら修理代を出せるのか考えておこう
〇〇円までなら修理、それ以上なら廃車か乗り換え、というふうにボーダーラインを設けておくと、いざ高額な修理の時スムーズに決断が下せます。派生版として「〇〇の新型が出たら」とか「△△の赤色が出たら」というパターンもありです。
そうしておく理由は、いざと言うときに修理か乗り換えかに踏ん切りがつかず、中途半端に金銭を使って後悔することを防ぐためです。
自分の今乗っているバイクに対する愛着がどのくらいかを金額にして示しておくことは、自分自身どうしたいかを明確にする目的があります。

バイク預金を積み立てておこう
大きな故障が突然訪れることも。そんな時修理代が用意できないとバイクに乗れなくなってしまいます。
とは言え高額な修理代がかかる場合の出費は痛い。
そんな時のために普段から積み立てておくと余裕を持って修理することができます。
もしも自分の許容範囲を超えた修理金額だったら、乗り換えの足しにすればいいんですから。
月千円でも二千円でも。自分の乗っているバイクの金額に合わせるといいでしょう。
買取の金額が変わるタイミング
買取や下取りの金額は車両の状態や年式、距離等で上下します。うちの店の場合は、距離と年数である程度のボーダーが存在しており、そこから値段が増減する形をとっています。どこでも通じる絶対的なものではありませんし、あくまでうちでの基準となります。

Sクラス 〜1000km、1年以内、無傷
最上級のグレードです。買い取った店がそのまま売れるくらいのレベル。
三拍子揃ってSSSとなると買取額も跳ね上がります。(そんな早く売る人転売屋ぐらいのもんですけど)
生産終了になった車種だと定価を超えることもあるくらいです。
…事情がない限り持っておくのがいいと思いますけど。
Aクラス 〜5000km、3年以内、小傷や擦り傷が多少有り
短いスパンで乗り換える方はこのクラスぐらいの方です。
大事にしておられる方が多いので、使用する上でやむない傷がついているくらいのものです。
店舗も車両を軽く洗車して、バッテリーやオイルを交換するぐらいで納車可能なグレードです。
Bクラス 〜20000km、5年以内、目につく傷がある
だいぶ使用感が出ているバイクですが中身は問題ないものや、消耗品の交換がそれなりに出てくるクラス帯です。
普段のメンテナンスの内容次第で、買取や下取りの金額にプラスアルファが出やすいところでもあります。
ウチの場合はこの辺りのボーダーから大きく値段の変動があります。
よほど店舗できっちりメンテナンスをしていた車両でなければ、これ以下のクラスの車両を店舗で販売することはありません。
Cクラス 20000km〜、5年以上、転倒等有り
ウチのお店では基本販売しなくなるラインです。
よほどニーズが高いものや、中古相場が高く高額修理をして販売しても利益が発生するものでなければオークション行きです。
前オーナーのメンテナンス内容が優良であった場合は販売に踏み切ることがあります。
しかし大抵の場合リスクが高く、ショップとしては二の足を踏みやすい条件です。
ランク外 事故車、始動不良
事故車は売れません。直すにしても金額がかかりすぎますし、採算が取れるレベルで修理するとリスクが拭いきれません。
軽度ならまだしもフレームが捩れていたりするとお手上げですね。
エンジンの始動不良は現状が把握できないことに問題があります。
かからない状態での下取りは最低限の金額になることが多いです。
もしエンジンに何か問題があっても、かからなければわかりませんからね。
まとめ
- 寿命はあなたがいくらまでなら修理代を出せるのかで変わる
- 乗り換えに適したタイミングが存在する
- 短期的に見れば修理の方が安く上がることが多い
- ディーラーではメーカで部品供給が終わったバイクの修理ができないことがある
- あらかじめ有事の際のバイク用プール金があるのが望ましい
直すも乗り換えるもあなた次第。だけど無駄な出費は避けるようにしましょう。乗り換えるつもりのものにお金をかけなくてもいいですから。
次のバイクを探す間は今のものに乗っておくのもいいですし、考えた上でやっぱり今乗ってるバイクを修理しようと考えるのも自由です。
どっちつかずになってしまうと、リスクと無駄をどちらも抱えることになってしまうので、自分がどうしたいかは明確にしておくといいでしょう。
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました!