MTシリーズ入門編!思い通りに操れるストリートファイター!
YZF-R25が発売されたおよそ一年後、それまで空白だったヤマハの250ccネイキッドバイク帯に満を持して登場したMT-25。
ビジュアルからも分かるように先に発売されたMT-09、07、のちに発表されるMT-10と同じMTシリーズの末弟にあたります。
スペックを調べればすぐわかるのですが、エンジンはYZF-R25と同じ原動機型式のものを使用しています。
R25よりも気軽に、それでも遜色ないスペック
R25と大きく違うのはそのビジュアルです。フルカウルのR25に対して、ストリートファイターのMTー25。加えて両車はポジショニングに大きな差があります。
R25も相当に気軽に乗れるバイクではあるんですが、MT-25はさらに楽なポジショニングで乗れます。
2020年にMT-25が、2019年にYZF-R25が大きくアップグレードしたことで、さらに棲み分けがはっきりしました。
ゆったり乗れるステップポジション、楽に握れるバーハンドル

さすがストリートファイタータイプだけあって、ハンドルポジションはかなり楽です。
旧モデルもR25より少し高かったのですが、さらにR25が2cm下げ、MTが4cm上げたことで二車にさらに明確な差異が出ました。
上体を起こして乗ることができるので手の負担も軽く、ステップの位置も無理のない位置で乗ることができるでしょう。
初めてバイクを購入する方なら、R25よりもさらに手軽に乗れるバイクです。
それでいてスポーツライディング性能はR25に負けず劣らず
同じエンジンですし公道レベルであれば走りは遜色ないと言えるでしょう。信号が多い街乗りだったらMTの方がむしろ快適かもしれません。それでいて山道のようなワインディングを特別不得手としてるわけでもない。
高速道路を使ったロングツーリングでも、スペック不足など感じさせません。ハイスペック車両とは言えませんが、費用対効果を考えるならお買い得以上の価値があります。
カスタムの自由度が高い
セパレートハンドルに丸目カスタムでネオレトロクラシック、ブロックタイヤにハンドガードとショートレバーでオフロードカスタム等、やれることの幅が多いです。
サイドバッグとリアボックスをつけたキャンプ仕様はまるでミニチュア版トレーサー900のようだし、バックステップ・セパハン・フロントカウルでカフェ仕様なんてこともできます。
自分なりの色をつけやすく、オリジナルモデルを作り出すことも可能です。これはSR400などのネイキッドバイク全般に言えることでもありますね。

デメリットらしいデメリットも見当たらない
ビジュアルの好みや250ccじゃ物足りないとかそういう根源的な話を除けば、非常にベーシックかつスタイリッシュなバイクだと言えるでしょう。
こう言ったバイクを個性がないバイクのように感じられる方もおられるかもしれません。しかし多くのカスタムパーツがリリースされている車両。自分好みに作り替えることはさほど難しくはありません。
うちのお客さんでもアドベンチャーバイクやオフロードバイクのようなカスタムをされている方もおられますし、カスタムの方向性は多岐に渡ります。
積載性の無さはキャリアやボックスを、風の抵抗はスクリーンをつけたりすれば、オリジナリティと利便性を後で追加することができます。ただしやればやるだけ追加でコストがかかっていくところが、こういったバイクのデメリットと言えるかもしれません。こだわり出せばキリがありませんからね。
R25との違いは?
この2車種、エンジンは同じ。にも関わらず走りには明確な差異が存在します。
どちらが良いかというのは人それぞれの部分ではありますが、それぞれに優れた部分が存在します。
ビジュアル

フルカウルのR25に対してネイキッドのMT。
前衛的でレーシーな見た目のR25。スピード感のあるフォルムは歴代YZFシリーズの正統後継車両であることを彷彿とさせます。本格派も納得のスタイルで、大型SSへのステップとしても申し分ないです。
対してMTシリーズの近代的なフォルムを継承するMT-25。市街地を走り抜ける軽快さと日常に溶け込む手軽さが武器。ガチ勢でなくても手を出しやすく、気後れすることなく乗り出せるハードルの低さが特徴です。
同じエンジンを使用している車両ではありますが、ビジュアルコンセプトは両バイクはっきりと違います。ただ好みで語れる範囲ですので、好きな方を選ぶのが得策です。
ライディング
ビジュアルの項で話したように、スポーツバイクとストリートファイターという棲み分けである二つ。先の項で話したポジショニングが大きく二つの性質を分かちます。
R25はカウルが走行時の風を後方に逃し、空気抵抗を下げています。早く走ることを目的として生み出されたSSは、ゆえにこうしたカウリングが装着されています。
対するMT-25は上体を起こしたストレスフリーなポジショニングで、初心者でも疲れを感じずツーリングに興じることができます。
街乗りにおいてはどちらがすぐれているというわけではないので、これも自分に合う方を選んで差し支えありません。
最終的な判断は?
見た目が好きな方を選んで大丈夫です!好みの部分を妥協して性能でどちらかを選ぶほどのものではありません。それはこのクラスだと勿体無いですよ。(レース勢は除く)
確かにR25のようなフルカウル車両は風の抵抗を和らげてくれますし、MTのようなネイキッドはポジショニングが非常に楽です。でもどちらを選んだからめちゃめちゃ快適というわけでもないです。慣れれば対して差はありません。
となると結局見た目で決めるのが一番。後は足つきやポジションの差があるので、またがって比べるのが一番でしょう。
実際乗ってみた感想
MT−25が出た当初から何度もこのバイクに乗っていますが、普段MT−09で通勤している僕が感じたのは操作性の高さです。まずここが特筆すべき点です。
みなさん教習車は400cc、おそらくホンダのCB400SFだったのでは?そうでなくても400ccのネイキッドではありませんでしたか?それを駆って試験をクリアした皆さんならまず問題なく乗りこなせるでしょう。
初めてで扱えるかどうか不安になるほどのパワーでもないけど、慣れてきたら長い距離を走るツーリングにも行ける。自分の思ってる範囲内でしっかり収まる加速力やブレーキング。手に余ることはまずないのでは?
ただ逆にリターンライダーや大型に乗っていた人は「こんなもんかぁ…」となるかも。弾けるスピードや突き上げてくるトルク感はありません。MTシリーズの中では超優等生。
だけどとっつきやすさは随一。ライダーデビューに相応しいと同時に長く乗ることもできる手頃なバイクです。
MT-25とMT-03は?
こちらはR25とR3の記事をそのまま置き換えていただいて問題ありません。

やはり03のエンジンはトルクに厚みがあるので、乗りやすさではおすすめです。R3同様にMT-03も、初心者の方にこそおすすめしたいバイクですね。
オススメしたい方
初心者の方や久しぶりすぎて不安なリターンライダー、ミッション車に乗りたいけど駐車スペースや維持費の問題で大きなバイクは難しい方などにおすすめできるバイクですね。
ゆくゆくはカスタムで自分の色を出していってもいいし、大型へのステップアップとしてもOK。週末に流すツーリングならずっとノーマルでもなんら問題ありません。大型乗りのライダーがセカンドバイクとしてチョイスするのもアリだと思います。
専門性や特別性に秀でている訳ではない反面、満遍なくいろいろな用途で使用することができる部分が優秀です。カスタムで一点特化型にすることも可能ですよ。

まとめ
尖った性能や特筆すべきスペックある訳ではありませんが、反面いろいろな人が乗りこなせる可能性の高いMTー25。かといってすぐに飽きてしまうつまらないバイクでもありません。
普段はリッターバイクでも、ちょっと軽いのがいいな…と思ったらMTー25という方もおられます。大型の良さを知っている方でも、軽くて運動性能のいいこのバイクなら自分の手に余すことなく動かせるのです。
もちろん初めてのライダーにとっても使いやすいバイクですし、ベテランにもルーキーにも応えることができるバイクです。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!