“R“のDNAを継承しながらも気軽に乗れるスポーツバイク
2008年販売のカワサキのNinja250Rを皮切りに、2010年にはホンダよりCBR250Rが販売され、少しづつ若者向けの250ccスポーツバイクが浸透してきていました。
しかしヤマハの250ccスポーツバイクは当時空白であり、やむなくインドにて販売されていたYZF−R15や、中国ヤマハのYBR250等が出ていましたが、今ひとつニーズに応えられていない節がありました。
そんな中、満を持して2014年末にリリースされたのがYZF−R25でした。
スポーツバイクなのに乗りやすい!?毎日乗れるスーパーバイク!
YZFシリーズというのは、YZF−R1のようにスーパースポーツがベースなので、かなり前傾のポジショニングとそれを動かせるだけの技量が要求されるバイクというイメージがありました。
逆輸入車で小型二輪だったYZF−R125ですらかなり厳しめなポジショニングのバイクだったんです。
これまた同じ逆輸入車だったYZF−R15は、「YZFシリーズの正当後継車両じゃない」と言われてしまう始末…(乗ってた僕としては扱いやすくいいバイクだったと思いますが)
しかしながらヤマハはそういった既成概念をぶち壊してきます。

まるでネイキッドバイクのようなポジショニング
YZF−R25はレーシーな見た目でありながら、またがってハンドルを持ってみると思った以上に楽にポジションを取れることがわかります。
他のYZFシリーズのように、前のめりになって長時間運転すると手が痺れてしんどい、ということにもなりにくいのです。
状態を起こして乗ることができるので、初心者の方も我慢しながら乗ったりする必要がなくなります。
2019年に大幅なマイナーチェンジが行われた際にハンドル高が22mm下がったことで、旧モデルよりも前傾なポジショニングに変わったものの、相も変わらずライディングポジションは快適です。
とはいえそこは実際にまたがってみて、好みでチョイスするべきでしょう。

4気筒ではなく並列2気筒だからこそ出せるフィーリング
レプリカで250ccというと4気筒エンジンという風潮がありました。出た当初は「こんな形なのに4気筒じゃないんだ」と言われたこともありましたね。
でもどー考えてもパラツインエンジンの方が乗りやすいです。低回転から立ち上がりのトルクが圧倒的に2気筒が上です。半クラも楽ですし。
同じだけ4気筒で出そうと思ったらどんだけ回転上げなきゃだめなんだよ!という感じですね。
逆に回転数が4気筒に比べて上がりませんが、250ccの場合は何ら問題はないでしょう。
スーパースポーツを彷彿とさせるビジュアル
かっこいいのに自分にも乗れちゃう。そこがこのバイクのいいところなんです「スポーツバイクだしそれに見合った技量も必要だよな…」とは全くならなくて大丈夫です。
教習車で400ccのネイキッドバイクに乗れた人には楽に乗りこなせるバイクでしょう。
ガチンコのレーサーレプリカと違い、憧れだけで充分手が出せるところに良さがありますね。

本格的なスポーツ走行もできる
とはいえ街乗りだけではなくスポーティーな走りもできます。ワインディングを思いのままに走り抜けたりするのもお手のもの。車体を寝かせて曲がっていく感覚も無理せず感じ取れるでしょう。
足回りを強化すればサーキットでだって高いパフォーマンスを発揮できます。慣れてくれば車体の性能を十二分引き出すことだって可能です。
つまりルーキーからベテランまでこれ一台で大体事足りるんです。
手を出しやすい価格帯
2019以降のABS付きモデルは税別定価595,000円。ABS無しが555,000円。(2021モデルからはABS非搭載モデルが生産終了)
倒立サスペンション導入やフル液晶メーターなどの目に見えるポイントだけでもかなりお買い得な部類。
この装備ならかなりのロープライスなのではないでしょうか?
旧モデルはさらに安かったため、支払い総額55〜60万も払えばかなり優良な中古車を手に入れることもできます。
もちろんデメリットもある
無敵のバイクはありません。必ず弱い部分があります。
それが気にならないくらい気に入ればどうと言うことはありませんが、それでも知っておいてから買うのがいいですよ。
車両積載性能
ほぼ皆無と言っていいでしょう。せいぜいETCを収納するスペースぐらいです。
リアキャリアとリアボックスを付けることもできますが、ビジュアル面から拒絶する人が多いカスタムです。
タンクバッグやリュックサックなど、車両以外で積載性を確保しましょう。

キャリアも決して悪くないが、あまり好まれない傾向にある
タンデムにはあまり向かない
車両の安定感がなかなか損なわれます。もちろんできないわけではありませんが、快適とはおよそ呼べないでしょう。
小さなタンデムシートや掴み手部分のベルトなどを見ると、後ろに乗る人は少し不安に思うかもしれません。
乗り手がかなり運転に慣れた上で乗せたいですね。
他メーカー車種と比べたら?
もちろん250ccのスポーツバイクはヤマハだけではありません。
ホンダのCBR250RRやスズキのGSX250R、カワサキはニンジャ250とZX−25Rの2車種をリリースしています。
しかしながらそこまで乗り込んでいるわけではないので、スペック値を比べるくらいならざっくりと感想を述べます。
まず結論から言うなら、僕はCBR250RRが圧倒的に優れていると考えます。スペックとしては現行250ccスポーツバイク内では他の追随を許しません。
スロットルバイワイヤ、アシスト&スリッパークラッチやライディングモードなど、250ccとしてはオーバースペックと言っても過言ではない装備。スペックも同排気量クラスでは一つ抜けており、抜群の走行性能です。
R25以外ではこれが一番多く乗りましたが、めっちゃ楽しいです。
ヤマハのショップの整備士がそこまで言うなら、R25買う意味ないんじゃない?と思ったかもしれません。
しかしみなさんは、どういった目的でバイクに乗られるのでしょうか?
この後が本題です。

スペックが一番良いバイクが最高?
めちゃめちゃ身も蓋もないことを言うようで申し訳ないのですが
速いからなんなん?
いや僻んでるわけじゃないですよ。そこまでヤマハ一筋なわけじゃないですから。他メーカーにも好きなバイクがたくさんありますし。
要するに、公道走行で最高速度がどうこうとか別にどっちでもいいんです。極論下道で60km、高速で100km出るなら問題ないわけですし。
A社よりB社の方が最高速5km速い!とか片腹痛いっすよ。そのスペック差街乗りで気にするやつおらんやろ、ってことです。そんな速いバイクに乗りたいならリッターバイク買えばいいんです。
その程度の小さなことより、もっともっと重視したいポイントがあります。

同排気量カテゴリ帯のバイクを選択する時に考えたいこと
僕の考える一番大事なポイント、それは自分がそのバイクを一番カッコいいと思ってるかどうか?
「いや当たり前だろ!」と思っている方は大丈夫。そうじゃなくてスペックで選ぼうとしてる方は要注意です。
僕が持論としていることがあります。それは速いバイクが欲しいなら、大型スーパースポーツに乗ればいいということです。
同じ排気量帯で速度を競う必要があるのは、レギュレーションの決まったレースだけです。
ツーリング行って「やっぱ俺のバイクの方がスピード速いな!」って言う意味なんて皆無だし、排気量マウントとか最高速マウントとかそんなことしてたら友達失くすよ?
カッコ良さ一番、次に足付きや値段、スペックなんて全然気にしなくてOKです!250ccと1000ccで一緒にツーリング行ったって全然OKなんですから。
YZF−R3とYZF−R25はどっちがいい?
見た目ほぼ同じ、R3は車検有り、R25は車検無し。だったらR25じゃない?と決めつけるのは早計です。
単純な乗りやすさだけで言うならR3の方が乗りやすく、初心者向けです。

一番の違いはトルクです。R3の方が排気量が高くトルクが高い為、半クラ時にエンジンが止まりにくい為です。
さらに加速時にもR25よりも高い加速力を得ることができます。高速道路で合流する時もラクラクです。
逆にR25はエンジンの吹き上がりがR3よりも良く回ります。同じパワーを出すためには多くエンジンを回転させる必要があるためです。
車検が無くアクセルを開けやすいR25か、車検はあるがトルクが太く加速力の高いR3か?といったところですね。
初心者の方には車検があってもR3をお勧めします。ちゃんと定期点検を受ける前提なら、バイクの場合はそこまで維持費に差が出ません。

まとめ
初めてのライダーにはおすすめ度が高いYZF−R25、R3。ビジュアルが気に入ったなら買いの一台です!
中古車を買うにしても比較的状態の良いものも多く、こだわりのカラーがあってもチョイスに困りにくいです。
気になった方はお近くのYSPやヤマハのショップで現車を確認してまたがらせてもらうと、イメージも湧きやすいですよ。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました!