メンテナンス

お店で定期点検を受けるメリットって何?

定期点検を店舗で受ける必要性

「タイヤ残量とブレーキ残量のチェック、オイル交換ぐらいなら自分でも出来る!」と思われる方も結構おられるのではないでしょうか?それ自体は非常に良いことです。僕は自分がユーザー側だった時、何一つできませんでした。

しかしそれだけでは不十分だと考えています。内容は前回の記事を参照していただければと思います。

お店がやってくれる定期点検って、どんなことやってくれんの?定期点検を店舗で受けると、どんなことをチェックしてもらえるか?その疑問にお答えします。店舗によって差異はあれど、基本的には点検項目は決まっています。...

それに内容以外でも、店舗の整備士に任せた方がいい理由は存在します。今回はそれを解説していきます。

原因が早く見つかりやすい

例えば僕の場合はヤマハをメインに扱うショップで整備士をやっています。YZF−R25、SR400、MT−09等多くのヤマハのバイクが修理や整備で入庫してきます。ヤマハ以外のバイク修理を依頼されることだってあります。

年間どのぐらい触っているか数えたことはないですが、かなりのバイクを整備していると思います。そうなると色々なケースの修理を経験するのですが、「よくある修理」みたいなのも出てくるわけです。

そういったものがパッと出てくるのが強みですね。普通はなかなか分からないようなことも過去の修理にあれば参照できます。専売のショップの方がその傾向は強いかもしれません。見当違いの修理をする可能性は低くなるので、結果的に修理代も浮くことが多いです。

責任を整備士が負ってくれる

言わずもがな整備士はプロです。整備をすることでお金を稼いでいます。自分が整備したバイクの出来が直接お客さんの安全に関わる部分なので、当然プロでなくてはいけません。

そんな整備士が点検し、大丈夫と判断した部分がそうでなかった場合、信用は失墜し、お客さんは整備士を信用しなくなるでしょう。適切に整備できていなければ、お客さんが大怪我をすることだって考えられるんです。

故に整備士は何度も確認します。本当に大丈夫かどうか。異常はないかどうか。緩んでいる場所や欠落した部品がないかどうか。

店舗によってやり方は違いますが、普通は再確認、再々確認は当たり前だと思います。(それでも渡した後に不安になることがありますからね)

整備士がお客さんに言う「大丈夫です!」は、本当に大丈夫でなければいけませんからね。それだけ双肩に責任を感じながら日々作業をしているのです。逆にこの部分が欠落している整備士に点検させる意味は皆無と言えますね。

メーカー保証が受けられる

これはメリットというか、恩恵を受ける為なら定期点検が必須になる部分で、多くのバイクメーカーの新車にはメーカー保証が付いてきます。消耗品や自損以外で故障したら無償での修理が受けられるものです。条件は何点かありますがそのうちの一つに定期点検があります。

ヤマハ車の場合、一年に一回は最低でも定期点検を受けていなければ、メーカー保証が受けられなくなります。そりゃそうですよね、お店やメーカーからしたら、乗りっぱなしで保証だけって言うのは流石にキビシイ。なので新車なら尚更受けておきましょう。

二次災害を防げる

毎年必ずおられます。オイルのドレンボルトをダメにしたり、プラグを閉めすぎてへし折っちゃう方。自分でタイヤ交換をしてホイール曲げちゃった、と言う方もいらっしゃいました。

今やYoutubeやSNS等で調べれば整備のやり方はいくらでも載っています。でも見たから自分もできるかどうかは別。もっと言えばその情報が正しいかどうかも別です。

自分でやって壊しちゃったら最初から整備士に頼むより余計にお金かかるんです。そうなると店舗に頼まざるを得ないので。

整備士に頼んだ場合はその心配は全くないわけです。もし整備士が壊したって店側が無償で直してくれるわけですし。

自分が整備をするのが好きで、それでやっておられるのならそういうリスクもやむをえないとは思います。でも安く仕上げようとした結果だとしたら、ちょっと悲しいですよね。

下取り時に値段が上がる

下取り車両の値段の大きな差は原則として、その店舗で中古車として売れるか否かが査定額に大きく関わってきます。売れない場合は部品採り用に置いておくか、業者向けのオークションに出品することになります。

当然販売するよりも値段はつきません。ですので販売店としては可能であれば中古車として販売したいのです。そのファクターの一つが「定期点検を受けているか否か」になります。

ある程度走行距離が進んでいたとしても、点検で経過を観察していたバイクであれば、販売した時のリスクは下がります。故に下取りするときにある程度サービスしても、店側は利益を享受することができるのです。

お客さんの立場とすれば、安心してバイクに乗れる上に下取り査定も上がるので、一石二鳥ではないでしょうか?

まとめ

上記の内容を踏まえた上でもやはり自分で整備をしたいと言う方は、それでいいと思います。全く否定しません。

ですが今挙げたようなリスクはあると言うことを理解した上で、自分で整備することが必要です。

整備士に整備を任せることは、安全性と確実性、時間や手間をお金を出して買っていると言うことです。

選択はあくまで自由。ですが触るのは自分のバイクだけにしておきましょう。

ご自分の家族や友達のバイクを修理して、それが原因で大怪我されたとしても、責任を取ることなどできないのですから。

それに怪我をされたら自分で診断せずにお医者さんにお願いしますよね?整備士に任せるのも同じことなんです。

それでは、最後まで読んで下さりありがとうございました!