メンテナンス

お店がやってくれる定期点検って、どんなことやってくれんの?

長く大事に乗りたいなら、定期点検を欠かすことはできません!

バイクショップの整備士はみんな年がら年中バイクばっかり触ってます。そういう仕事ですから。ちょっとバイクに詳しいお友達なんか比にならないくらいバイクのことに詳しいです。

そんな整備士があなたのバイクの点検を報酬を受け取ってやるわけです。当然昔バイクに乗っていた親戚のおじさんに見てもらうより遥かに安全です。

とはいえ何をしてるのかも知らないまま高いお金を払うのは抵抗があります。ただでやってくれるお友達にお任せしたくなる気持ちもわからなくはありません。

ここでは整備士がどういった点検内容でバイクを見ているのかをお話しします。

バイクを買って半年経過…

あなた
あなた
お店から定期点検案内が来たけど、受けなくてもいいかなあ?

いやその気持ち分かります。まあまあいい値段取られますし、今別に調子悪くないし。大丈夫!と思っちゃいますよね?

だけど本当に大丈夫でしょうか?チェーンだるだるにたるんでません?タイヤまだ使えますか?エアクリーナーがめちゃめちゃ汚くなってません?

自分では気がつけない、判断できないことを委託することが定期点検の意義です。

だから自分で整備士レベルの点検ができるのであれば極論お店に出す必要はありません。ですがその場合メーカー保証が受けられなくなるなどのデメリットも存在しますので注意が必要です。

お店で定期点検を受けるメリットって何?自分でやるよりもお店で定期点検をする方が多くのメリットを享受できます。今回はそのメリットについての解説をしていきたいと思います。...

そもそも定期点検って何してんの?

結構高いお金を払って、一体どんなことしてくれてんのよ?と思いますよね?

「エンジンやブレーキ関係、ハンドル周りや電装系部品等を点検しています!」

だからそんなこと言われても分からんって!そんな抽象的なこと言われても!と、僕がユーザーの時は思ってました(笑)

なので今回は写真も交えながらどういったことをしているのか解説していきます。

前提として

何もかも全てを分解して点検しているのではありません。

ブレーキの点検だからといって、毎回分解してチェックしていては金額ばかりが上がってしまいます。

まずは試乗したり目視のチェックでできるところから順番に確認していくことになります。ただしこの部分はお店によって差異が出ます。

基本料金を高めに設定して、基本点検に多くのサービスを付帯させているものもあれば、安めに設定して基本点検のみというものもあります。

値段にも大きな違いがあり、排気量や車種によって変わりますが、3000円〜30000円ほどの開きがあります。

定期点検に含まれる項目

電気装置関連の点検

点火装置や配線接続の緩みや断線があるかの点検

点火装置というのはガソリンと空気を混ぜた混合気をエンジン内で爆発させる為に火花を飛ばすものです。

スパークプラグが一番有名な部品ではないでしょうか?

写真はスパークプラグと言われる部品

点火装置が劣化すると、走行時にエンストしたりエンジンの始動不良が起こります。

配線の断線や接触不良はいろいろなことを引き起こします。

ライトが点灯しない、エンジンがかからない等ショートした結果、出火することも考えられます。

断線してしまったメインスイッチ配線

(ヘッドライトやウインカー等の灯火関係は厳密に言えば、日常点検の範囲になりますので、使用者自身での確認が必要です。とは言えチェックしてくれる店舗がほとんどだと思います。)

制動装置(ブレーキ)の点検

制動装置は大まかにディスクブレーキとドラムブレーキの2種類

ディスクブレーキの点検項目はマスタシリンダホース及びブレーキキャリパー、ディスクローターの点検が該当します。

銀色のプレートがディスクローター

ブレーキの引きずり、パッドの摩耗、液漏れ等の有無を点検します。

ドラムブレーキはブレーキシュー、ホイールシリンダ、ロッド及びケーブルの点検が該当します。

写真はドラムブレーキ

こちらはブレーキシューとホイールシリンダの摩耗、ワイヤーの伸びや劣化の点検等があります。

車種によって左右レバーかレバー&ペダルの点検があります。

レバーを取り付けるボルト部は定期的な給油が必要

 

原動機(エンジン)の点検

エンジンの点検項目は燃料系統、排気系統、吸気系統や冷却系統などが該当

吸気系統はエアクリーナから空気を吸い込む部分になります。

原付のエアクリーナ。埃に油の混じった物が堆積している。

車種によって洗えるものや清掃不可な物があります。

燃料系統はキャブレターやスロットルボディ、フューエルポンプ等です。

キャブレター内部が汚れている
スロットルボディも清掃が必要

排気系統の点検はマフラーや排ガス濃度が該当します。

排気ガス濃度はバイクの状態を知る重要な要素

冷却系統の点検には冷却水そのものとその経路、水温計などが当てはまります。

長年交換していなかった冷却水に錆が混在していた

他にもバルブクリアランスの点検、エンジンオイルの点検等があります。

動力伝達装置の点検

動力伝達装置の点検には、クラッチ、Vベルト、ドライブチェーンやスプロケットが該当

クラッチ周りではレバーの遊びやクラッチの切れを点検します。

写真は分解したクラッチ

切れが悪かったりギアの入りが悪かったりする場合は分解して、プレートやスプリングの交換が必要なこともあります。

Vベルトはスクーターに用いられる、エンジン動力をタイヤまで伝達する機構です。

写真はT−MAXのVベルト

加速時に滑ったり変速がうまくいかない場合はクラッチと同様に分解点検が必要になります。

チェーン周りは、伸びやガタが無いか、スプロケットは摩耗や欠損していないかのチェックとなります。

1枚目は交換前、2枚目は交換後

部分的ながたや動きの悪い箇所が増えると、チェーンが無駄なく回らなくなり、綺麗に変速できない等の弊害が生まれます。

走行装置の点検

走行装置にはタイヤとホイールが該当

タイヤは亀裂や摩耗が無いか、適正空気圧であるかを点検します。

空気圧点検を怠ればパンクしていなくてもこうなる

空気圧は適正でなければ、早期の摩耗や燃費の低下にも繋がり、そこを怠るだけで痛い出費となります。

ホイールはボルトやナットが緩んでいないか、ベアリングやシャフトが劣化していないか等の点検です。

写真はSR400のスポークホイール

かじ取り装置の点検

かじ取り装置はハンドルやフロントフォーク等が該当

フロントフォークは転倒等で捩れると走行に支障をきたす

ひずみやよじれがあればまっすぐ進まなくなります。

オイル漏れや長期使用の場合はオーバーホールが必要です。

車体の点検

車体はフレームやサスペンション、スイングアーム等が該当

フレームは緩みや損傷の有無を点検します。

長年乗っていたり重量物を積んでいると、エンジンとフレームを繋ぐ部分等のボルトが緩んでくることがあります。

後書き

この他にも最近の車種であれば、デバイスに接続して故障の診断をする車種も存在します。上記の内容が自身でできる方はお店での定期点検は不必要と考えられるかもしれませんが、やはり個人ではカバーし切れない部分はあると考えています。

もし自分で普段から整備をされている方もセカンドオピニオンとして時々受けておくと、間違ったまま放置することもなく安心できるのではないでしょうか?

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!