中古車はどれも同じではなく、オンリーワン。だからこそ選択難易度が上がる。
安くていいものが手に入る可能性のある中古車。自分の思う通りのカスタムを施されているものがお値打ち価格で手に入ったりすることもあります。
しかし何も知らずに闇雲に安いものを選べば、とんでもない底辺車両を掴まさせられることにもなりかねません!
中古車でなくてはならない理由
今回は、中古車を選ぶ際に気をつけたい6項目を解説して行きたいのですが、まずは中古車を購入しようとされている方に質問です。
どうして中古車がいいんですか?
別に中古車を買うことを否定しているんじゃないですよ。ウチのお店でも売ってますからね。
ここでは先に「あえて中古車を選ぶ理由」についてのお話をしていきたいと思います。
中古車をチョイスする理由
大体この辺りでは無いかな?と思います。
この中で購入後にドツボにハマるお客さんが多いのが
価格が安価
に該当する車両です。
当店で修理したお客さんにあった実例を一つ。
中古車購入で失敗した例
これは極端な例ですけど。何が言いたいかというと【安いのには必ず理由が存在する】ということです。
バイク屋は慈善事業では無く、営利団体である以上必ず利益が出るような値段にして販売しています。例えば相場の半分で売っていたバイクがあったとしたら、さらにその半分の価格で仕入れたバイクなのかもしれないのです。
じゃあどうしてそんなに安いのか?事故車、メーターが変わっている、消耗品を変えない…理由は様々ですが、何か負の部分を抱えているんです。
ちなみに例に出したお店はGoogleマップでは4.8という高評価。良いレビューを書くと割引があるというメカニズムらしく、やはりそういったものだけでは判断は難しいのかもしれません。
安価な中古車は「安物買いの銭失い」になりかねない。
購入する場合は、買った金額より修理代がかかる可能性も忘れずに!!
中古車を購入するときに気をつけるべき6つのこと
ワンオーナー車
これはよく言われることで、距離が進んでいる中古車でもワンオーナー車であれば大事に乗られている可能性が高いというものですね。
もちろん雑に乗っていてもワンオーナーならそういう表記になるので、これだけをアテにするのは良くないですが、優良な中古車を構成する一つの要素になり得る物です。
その店舗で販売・メンテナンス・買取までやっているのであれば、さらに信頼できる車両である可能性が高いです。もちろん店側が本当のことを言っている前提ですけど。

年式の新しい車両
基本的には新しい車両の方が一般的には当然状態が良いです。
もちろん他の項目の内容も加味しなければいけませんが、2000年式の3000kmと2018年式の20000kmの車両があったとしたら、元のオーナーが全然メンテナンスをしない人だったりあからさまに転倒痕があったりしなければまず後者の方が「買い」でしょう。
僕的には総走行距離よりも重視すべきポイントで、むしろ古いもので距離が浅いのは逆に状態が悪いことも考えられます。長年乗らずに放置されている車両だったりする可能性もありますからね。
メンテナンスをちゃんとしている前提ではありますが、バイクは乗り続けている方が状態が良いものが多いです。
バイクショップ的には距離を走っているバイクって売りにくいんですよ。中古保証が手厚い店なら尚更。それだけリスクが上がりますから。にも関わらず販売するのは、店側が大丈夫だと考えていることに他なりません。
そのバックボーンになるのはやはり「前のオーナーはちゃんとメンテナンスしてたから」なんです。
でなきゃ売れません。納車して1ヶ月以内で不具合なんて、内容にもよりますがお店の信用に関わることですからね。

第三者による鑑定がされている車両
これも分かりやすいやつです。有名なものだとグーバイクさんが来て車両状態をチェックしてくれるものでしょうか。
鑑定時は必ずエンジンをかけるので、「エンジンをかけないまま三年経ってます」なんて心配も無いです。
ただ結構甘めの採点かな?と思うこともあります。それでもなんの前情報も無く買うよりは断然有利です。
手間をかけてもやるという、お店のやる気の有無もこれで判断できますしね。
(結構立ち会うのが邪魔くさいんですよね、あの作業)
その評価書をもとに、消耗品の交換をどこまでしてくれるのか?という話もしやすいと思います。
フレーム修復歴の無い車両
フレームを修復している車両ってどんな車両なのか?
一口に言うなら事故車です。それもちょっとした事故では無く、ダイナミックな事故であることも多いです。少なくとも立ちゴケ程度では無いでしょう。フロントフォーク周りが歪んでいたり、フレーム自体が歪曲しているということもあり得ます。
でも修復歴があるということは、直しているんです。だからといって「じゃあ問題なくね?」と思うのは早合点。完全に直りきっていないことも多いからです。
どうしてそんなことが起こるのか?よくあるのが「前オーナーが出費を抑えるべく妥協する」場合です。
本人は完璧じゃなくても良いわけですから「ある程度直ってまた乗れるようになった!もう乗れないかと思ったから嬉しい!」と大喜び。
しかしその後他のユーザーが中古車として購入された場合は「…なんか曲がってる気がする…」となります。
基本うちではリスキーなので修復歴があったら売りません。でも買い取ったお店が大丈夫だと判断したら店頭に並ぶんです。
買った時は大丈夫でも、乗っているうちにタイヤが偏って摩耗して、高速時にハンドルがグラグラ振れ出したりしたら…怖いでしょ?なので慣れないうちは避けた方が無難です。
希少価値が高い中古車なら直して乗るのも手ではあります。市場価値が暴騰している旧車なら、金額をかけてほぼ完全に修復する専門のショップも存在しています。
ちなみに修復歴がある=事故車であるは大体成立しますが、修復歴が無い=事故車では無い、は成立しません。あくまで事故車を見分ける一つの要素であるだけです。その点は注意しましょう。

現状販売でないもの
現状販売。そのままの状態で中古車を販売する。この方法は僕が最も嫌いな販売方法です。
お客さんから「自分で直すからノークレームで現状販売してくれ」って言われたとかなら分かります。それでもうちはやりませんけど。でももしそんな案件ばかりなら全国でトラブルが多発したりしませんよ。
みたいなことを言って情報に疎い方に売りつけるケースが多くあります。実際購入後すぐに不調になったけど、保証も何もついていないケースが多いので、実費で修理しないといけないという相談を受けることもあります。
本当の意味での現状販売は、要整備箇所を購入者に伝えた上で販売する必要があります。それを伝えずに自然消耗以外の故障が発生した場合、「いやうちにある時は大丈夫だったから」といって修理義務を負わないわけではありません。本来はね。
騙される方が悪いんでしょうか?いいえ騙す奴が悪いに決まってます。彼らをバイク屋というのは他のバイクショップの方々にあまりに失礼です。説明を十分にしないなら現状販売などしてはいけないんです。
現状販売する理由ってなんでしょうか?直して売った方がいい値段で売れますし、お客さんの信用も得られます。でもそれができないショップがそういうことをしているのだと推測されます。そして修理する技量がないならバイクを販売するべきではない、と僕は考えます。

自分で見に行ける店舗のもの
購入前に自分で行って現車確認しましょう!ってことですね。今時オンラインショッピングが主流ですけど、中古車のバイクはやっぱりオフラインがおすすめです。
写真と現物ではイメージが全然違いますし、実際現車見たらなんか違うな〜ってことはよくあります。
傷や凹みなんかは写真ではほぼ分かりません。跨った時の感じや足つき、ハンドルの取り回しなんかも直接行かないと分からないです。さらに店舗での中古車保証を受けるのも、遠方だと断られることが多いです。
やはり自分のバイクで行ける範囲の生活圏で探すのが購入時・修理時にプラスに働くと思います。しかし新車はどこで買っても同じですが、中古車はオンリーワンです。
もしも遠方で購入する場合は、修理時に持っていけるバイクショップを確保しておきましょう。購入前に遠方で買うことを伝えて、受け入れてくれるかを確認しておくと何かあった時でも慌てずに済みます。
特に前回の記事にあった、国内メーカーの逆輸入車だったりすると近くに診てくれる店がない!ということにもなりかねません。必ず事前に確認しておきましょう。

まとめ
もちろん上記に全て該当していなくてもいい中古車はありますが、該当する項目が多いほど優良中古車に近づくのも事実です。
この記事を読んだことで迷っている方は、「中古車をあえてチョイスする理由」の項をもう一度見て、じっくり考えてください。
ともかく僕から言えるのは、どうしても欲しいカラーや車種でもないのに「安い」から中古車を選ぶというのは後々後悔することも多いですよということです。これは今までに見てきたケースを総合して判断しています。
購入する場合はしっかり吟味した上で、総合的に考えて判断しましょう。
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました!