バイクの窃盗犯から愛車を守るための方法
組織犯罪から個人までバイクの窃盗は少なくありません。うちのお客さんでも盗られたという方はおられます。ここでは原因や対策についてお話ししていきたいと思います。

厳密に言えば「絶対に盗られない」というのは不可能、それでも!
まず前提として、どんなにセキュリティをしっかりしたとしても盗まれる可能性は0にはならないということです(当たり前のことですが)。前後のタイヤにロックをかけていても大人数人で持ち上げてトラックに積んでしまえば盗めてしまいますからね。
だからと言って対策をするというのは無駄なことではなく、盗難犯にどれだけの手間とリスクをかけさせるという部分に大きく影響を与えます。
例えばワイヤーロック。ホイールに通すだけなら先ほど触れたように担がれてしまえばどうしようもありません。しかし駐輪場等の柱に一緒に通せばワイヤーロックを切断せざるを得なくなります。
さらにそのロックが強固なものだと、切断にかなりの時間がかかるわけです。当然ロックをギコギコ切断しているところを見られるのはリスクでしかないので、よほどその車両にそれ以上の価値がなければ諦めます。
故に窃盗犯にとって嫌であろうことをたくさんすれば盗難される確率は減少していくというわけです。
過去に盗難されたケースで多いもの
ちょっとだけなら…鍵差しっぱなし
意外に多いのがこのケース。「2、3分なら大丈夫だろう」と思って戻ってきたらバイクがない、です。
これはバイクを盗もうと思っていなかった人が出来心で盗んでしまうことがあります。一万円落ちててネコババするみたいな感じでしょうか。このケースは所有者の過失が大きいので、盗難保険も適用されないことがほとんどです。
バイクから離れるときは必ず鍵を抜きましょう。
鍵抜いといたら大丈夫やろ…ハンドルロックかけないケース
「めんどくさいからハンドルロックかけんでも大丈夫やろ…キーなかったらエンジンかけられんし…」と思うのは間違いです。本気になればキーがなくてもエンジンをかけることができるのです。
ハンドルロックをかけていなければその場から押して持ち去った後にゆっくり…ということができてしまいます。当然直ぐにできることでは無いですが、人目のつかない場所まで持っていけばなんてことはありません。
ハンドルロックは必ずかけましょう!!

ワイヤーロックやU字ロックかけないケース
これは簡単ではありませんが、ハンドルロックを破壊して持ち去るケースもあります。特に古いバイクだと割とあっさり破壊されてしまうこともあります。そうすれば押して持っていくことができてしまいます。
ワイヤーロックやU字ロックをかけておけば、切断されたり担いでトラックで持って言ったりされない限りは取られる心配はありません。よほど価値のある旧車や限定車でも無い限り、そこまでされていたら諦める窃盗犯がほとんどでしょう。

どうやって対処すればいいんだ!?ということも
とは言え「絶対」はありません。ワイヤーロックは切断できますし、担いでトラックに積めば持っていけてしまいます。貸しガレージだって破壊されたら取られるわけですしね。
ただ盗む労力とそのバイクの価値が見合わなければ盗られないことがほとんど。現行の125ccのスクーターを盗むのに、ワイヤー切ってハンドルロック壊して人の目を気にしながら数人でトラックに積むなんてリスクしかありませんから。
対策はやればやるだけ盗難される確率が下がります。後は自分のバイクにどこまでコストをかけて対策をするかという部分になってきます。
盗難対策グッズ
ここではどんな対策品があるかを紹介していきます。
前提として
以下のグッズは、ハンドルロックやキーシャッター等の元々バイクに備わっている対策はした上での対策となります。
ワイヤーロック・U字ロック
ホイールに通してタイヤが回転しないようにする定番の防犯グッズ。ワイヤーは太ければ太いほど切断されにくく効果は高いです。切断できないワイヤーは存在しないが、時間がかかればそれだけ窃盗犯にとって発覚のリスクが上がります。
駐輪場の柱や地面に打ち込むアンカーと組み合わせるいわゆる「地球ロック」を施しておけばトラック等で運ばれるリスクも下がります。

バイクカバー
そもそも目に触れづらくすることでリスクを下げるグッズ。車種を特定されないことで盗難に合い辛くします。毎日乗る人にとっては面倒ですが、ワイヤーロックと組み合わせると効果が高いです。
安価なものから高いものまで様々ですが、あまり薄手のものはすぐに破れてしまったり、熱で溶ける可能性があります。ワイヤーロック用の穴が開いているものもあり、カバーの上からロックすればカバーを外すことすらできないのでオススメ。

ディスクロック
ディスクブレーキを採用している車種限定ですが、ディスクに装着してタイヤを回転させないようにするロックです。ワイヤーロックに比べ持ち運んで出先で使うことが非常に容易です。アラームが内蔵されているタイプもあり、さらに防犯性能が高まります。
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防犯アラーム
窃盗犯は当然光や音を嫌います。発せられることで発覚する可能性が非常に上がるからです。バイクが振動を感知すると大きな音を鳴らすタイプがあります。ディスクロックにアラームが内蔵されているタイプもあります。
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バイク用車庫
これは難易度は高いですが効果は絶大。手に入れる方法としては「買う」か「借りる」になると思います。
購入する場合はテントみたいなものからガチンコのコンテナまで様々。当然強固なものになればなるほど高価になっていきます。テントタイプは二万円台からありますが、コンテナタイプになると二十万以上は覚悟しなければなりません。
あとは購入するとなったら置き場所が必要です。あまり自宅から遠い場所に置いてしまうといざ乗る時に面倒だったり、直ぐに確認できないのが不安な部分もあります。
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盗難保険
これは対策としては「盗られた後」に該当します。万が一盗まれてしまった場合にそれに充当する金額を保険会社が支払ってくれるというものですね。
基本的には年数を経ると保証される金額は下がっていきます(1年目95%、2年目80%…等)。新車特約等を付帯させれば減額されない保険もあります。
ただお金は返ってきますが、同じものが手に入るわけではないというのがやはり悲しいですね。新車・中古車問わず入手が困難な車両は再び買い直せないこともありますし、沢山のお店を回ってようやく手に入れた一台が悪意によって奪われてしまう悲しみは金銭では埋めることができないのではないでしょうか?
それでも現実問題、お金が返ってきたことによって選択肢は広がります。同じ車種を探すも、違うバイクに乗るも、選べるようになるのは救いですね。
注意しなくてはならない点としては「盗難されたケースで多いもの」でも言及した、自己に重大な過失がある場合は保険金が支払われないケースがあるということです。
例えばキーを抜き忘れた、ハンドルロックかけ忘れた等々…まあ後で車両が出てくることがなければ立証できないこともありますが、そういった場合は「盗られたのは自分のせいやんね?」となりますので保険適用外となってしまいます。

オススメの組み合わせ
この章では普段のバイクの使用方法や車種に合わせて、僕が考える防犯グッズの組み合わせをご紹介。
あくまで金額・労力・リスクを僕個人的に最適化したものであり、これをしておけば絶対大丈夫というものでもないですが、せめてこれぐらいはしておきたいラインとして参考にしていただければ。
毎日通勤用スクーター=ハンドルロック+ワイヤーロック+柱
バイクカバーを毎日かけては外す…これはかなり面倒な作業です。共同の駐輪場だったりするとカバーを広げるだけで一苦労。マフラーに熱が入った状態でかけるのは良くないので、少し時間が経ってからかけなければいけないのも手間です。
そこで毎日乗る通勤スクーターの場合は、ハンドルロックをかけワイヤーロックを柱にかける。これなら出先でも可能ですし、ルーティーン化してしまえばそんなに苦にはならないはずです。
純正イモビキー仕様週末バイク=バイクカバー+ワイヤーロック
毎日ではないけれど晴れた週末にはロングツーリングしたいバイクにはこの組み合わせがオススメ。バイクカバーは雨風や埃からの保護としても有能ですし、ワイヤーロックと組み合わせればカバーを外すこともしづらいです。前後輪ワイヤーロックならさらに防犯性能高↑。
さらに近年のインジェクション車の多くはキーにICチップが内蔵されており、仮に鍵なしで電源をオンにできたとしてもECUがICチップを認識できなければエンジンがかからない仕組みになっていますので、ハンドルロックをかけてキーを抜いておくだけで非常に高い防犯性能を誇ります。
供給減市場価値高騰車=盗難保険+バイクカバー+柱ワイヤーロック+ディスクアラーム
最近では新車の供給が少なく現行車でも中古車が新車価格を越えるようなことが多々あります。そうなると逮捕というリスクを負っても盗む輩が出てきがちです。特に海外に流して儲かるようなものは尚更です。
となれば物理+音でさらにセキュリティUPです。動かしただけで音が鳴ればかなり嫌がられます。さらにワイヤーロックを切断しなければならないとなると大変です。アラームだけなら担いでトラックに乗せて離れた場所で対処することもできますが、その場から持ち去れない上に音が鳴り続けるのは発覚のリスク大。よほどやばいやつでなければ諦めるでしょう。
市場価値が高騰している絶版車は…
はっきり言ってこれは普通の方法では無理です。
象徴的なのが数年前に大阪で起こった「高速道路上でのCBX400Fを強奪される」という事件。車を寄せて停車させ運転手とタンデムライダーを降ろしそのまま運転して逃走したといった内容です。まじでここ日本か?と思う事件でしたね。
これはもう対策のしようもない。相手があまりにも逸脱しすぎていて、こちら側の常識が全く通用しない部類の人種です。銀行強盗とか宝石店強盗とかを個人で対処するようなものです。狙っているやつも普通ではありません。家まで後をつけてきて集団で持っていくなんて当たり前。対策が甘けりゃ数分で持ち出されてしまいます。
もし人気絶版車を所有するのならまず所有しているのことを悟られないようにする、そして必ず強度の高い柱等に太いワイヤーロックをフレームに通して固定、アラームとバイクカバーは当然装着、さらに自宅の室内で保管するほどの気概があってやっと防犯対策と呼べるのかもしれません。
まとめ
1️⃣凡ミス(キー抜き忘れ、ハンドルロックかけ忘れ等)をしないこと❗️
2️⃣防犯グッズを組み合わせて適切に使用すること❗️
3️⃣めんどくさがらず毎日必ず対策すること❗️
絶対に盗られないというのは出来なくても、限りなく可能性を下げることは可能です。自分にできる範囲で後悔のない様に防犯対策を行いましょう❗️
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました‼️