バイク選び

最初に乗るバイクの選び方は?現役整備士が考える重要なファクター6選

最初に乗るバイクはどんなのがいいの?

初めての記事は、おそらく多くの方が言及してきたであろう「最初のバイク選び」です。

明確に乗りたいバイクが見つかっていない方は、どういった情報をもとに探せばいいのかよく分からない方も多いのではないでしょうか?

整備士である僕は以下の6点を重視しています。

半クラ時にエンストしづらい

バイクに慣れないうちって発進時に止まることが多いです。

ウチでも納車時にエンストしちゃう方は結構おられます。

じゃあどんなバイクがエンストしにくいのか?

エンジン低回転時のトルクがある車両

トルクとは「タイヤを回転させる力」のことです。

発進時にトルクがないと、半クラを繋いで発進する難易度が上がります。

逆に高いと、失敗しても何とか進んでくれます。ガタガタしますけどとりあえずエンストせずに進みます。

車体重量が軽い車両

400ccのアメリカン等車体が重いバイクはそれなりにトルクはあるのですが、車体重量にかなり割かれてしまいます。

同じトルクなら軽い方が前進する力も強いです。これを数値化したものを「パワーウエイトレシオ」と言います。同じ馬力なら軽い方が早く走れますよね?

交差点で止まったりすると最初のうちは寿命が縮む思いするので、重視するべき要素ですね。

足つきがいい

これを重視する方は非常に多いです。足がつかないorつきにくいバイクは最初は不安ですからね。

ただしそのままでつかなくても、ローダウンというカスタムをして車高を下げることができる車種が多いです。

具体的にはサスペンション(バネ)を短いものに変える、サスペンションをつなぐアームを長いものに変える等です。

車種によりますがおおよそ3〜5cmほど下げることができます。

セルでエンジンがかけられる

エンジンをかける時は、最初に電気でモーターを回してエンジンをかける方法とキックアームを蹴り込むことでかける方法があります。

両方ついているモデルもありますが、キックスタートオンリーのバイク少し不安です。

代表的なのはヤマハのSR400ですね。交差点等でエンストしてしまった時はかなり焦るでしょう。

後述するフューエルインジェクションのSR400はそこまで心配はありませんが、キャブレター車はかなりの難易度だと思われます。

SR400のキックアーム。かけられれば映えます。

カウルがついているバイク

これは走っている時に受ける影響ですね。

高速道路や信号の少ない道でツーリングをするのは非常に楽しいのですが、バイク走行中の風というのは想像以上にライダーの体力を奪います。

まして慣れないうちは運転にも体力を使うので余計に辛いかもしれません。

後付けでスクリーンをつけたりすることのできる車種も多いので、最初からついていなくても対処は可能です。

フルカウルはいかに風の抵抗を逃すかを考えて作られている。

FI(フューエルインジェクション)車であること

僕が考える中で初心者のライダーに一番オススメしたいポイントです。

一般的にフューエルインジェクション車というのは、「ガソリンや空気などを現在の走行状況や気温等を鑑みて最適な状態に調整する」車両です。(厳密には全く意味が違いますが)

つまり乗り手側が気をつけなくても勝手にエンジンが暖まるまで回転数を調整してくれるし、寒い日や暑い日にも最適なガソリン量にしてくれます。全てが電子制御で行われています。

稀に電子制御タイプではないフューエルインジェクションタイプも存在しますが、数はあまり存在しません。

キャブレター車

FI車の対極がキャブレター車です。エンジンの始動にコツがあったり、自分で暖気する必要があったり、季節や環境によって調整が必要だったりします。

これがキックスタートオンリーのSR400だったりすると、極端な場合持ち主しかかけられないなんてこともあります。

さらに近年キャブレター車は絶版車になっていることが多いので、新車で手に入らないこともあります。

そうなると店によって納車時の状態が違い、さらに難易度が上がります。かなりの情熱がないとオススメできないです。

キャブレターの中身。これだけ汚れるとエンジン始動に影響が出る。

国内で部品供給が潤沢である

最後は修理する時に関わるお話です。

ウチは国内メーカーのバイクの修理しかしていないので、今現在ではどうなっているかはわかりませんが、海外メーカーのバイクは部品の納期が結構待たされることが多いです。

以前トライアンフというメーカーのディーラーの方に聞いた時は、「昔よりはだいぶマシにはなったが1ヶ月以上かかることもザラ」とおっしゃられていました。

さらに旧車や絶版車の場合はメーカーが既に部品生産を終了しているということもあります。

その場合は旧車をメインにやっておられるショップで、部品を作ってもらったりすることになるのですが高額になることが多いです。

ショップも僕たちよりもさらに技術的なことをされているので、お店や人によってクオリティーが大きく変わることも。

もう一つ必ず押さえておきたいのは、日本にあるメーカーの逆輸入車。

正規輸入車でない場合はオフィシャルのショップはまず見てくれません。

さらに台湾ヤマハ中国スズキのような、現地で走っているバイクを輸入代理店が販売している場合です。

この場合も国内のディーラーでは部品は手に入りません。ヤマハやスズキと呼称されていても、もはや別メーカーと言えます。

車両も安く、一見お買い得感があるので知らずに買われる方も多いです。

中国ヤマハのXTZ125。ヤマハ製の125ccオフロードだが、修理してくれない店舗も多い。

まとめ

初めて買うバイクを選ぶときは

  1. 発進時にクラッチを繋ぐ際に、トルクがあってエンストしづらい
  2. またがった時に足がつけて、不安なく停車できる
  3. セルスイッチでエンジンがかけられる
  4. カウルがついていて長時間の走行でも疲労しづらい
  5. 気温や環境の変化に自動で対処してくれるFI車
  6. 国内メーカー正規取扱車両

を考慮して購入することをオススメします。

あくまでその方が楽というものであり、絶対にどうにもならないというものではありません。しかし、分かっていて買うのと知らずに買ってしまうのでは雲泥の差があると思います。

もしも該当しない車両の購入を考えている場合は、心づもりをして購入しましょう。

それでは今回は「最初に乗るバイクはどんなのがいいの?」というお話でした!