バイク選び

ヤマハ発、暴君系ストリートファイター!MTー09ついて解説!

ピーキーでアクティブでダイナミックなストリートファイター!

ヤマハが2009年モデルのYZFーR1に採用したクロスプレーンエンジン。スロットルの操作でライダーの思い通りのアクションをする、というのがこのエンジンの最大の特性です。

そのクロスプレーンエンジンのコンセプトに基づいて開発され、2014年に初登場したのがMTー09のクロスプレーンコンセプト3気筒エンジンです。MTとは「マスター・オブ・トルク」を意味しています。

ちなみに暴君系ストリートファイターというのは僕が感じた印象で、オフィシャルのワードではございません、あしからず。

MTー09ってどんなバイク?

普段の記事であればます初めにそのバイクのいいところやメリットの話をしていくのですが、まずはMTー09がどんなバイクであるのかというところから触れていきます。

意のままに操れる悦び?

これはヤマハが2014年に発売した当初に提唱していたMTー09のコンセプトです。クロスプレーンがコントローラブルなエンジンを目指していたのですから、その流れは不自然ではありません。

しかし!

出た当初に乗った僕及びお客さんの感想は、「なんだこの制御不能なバイク!」というものでした。軽量化された車体に850ccのエンジンはとてもじゃないですが扱いやすいとは言えませんでした。まさに暴れ馬、モンスター、爆発物注意。

同じ時期に発売されたMTー07は非常に扱いやすい車両で、「09はちょっと無理だけどこっちならいけそう」という方が、特に中型からのステップアップの方に多く見受けられました。

もちろん悪いバイクではない、むしろ人によっては最高

ただ誰しもが大人しく扱いやすいバイクを好むわけではありませんし、ドライビングモードを切り替えることで街乗り用の出力に切り替えることもできたので、実際多くのお客さんが購入されました。

特に試乗した感動のままに契約する方が多く、刺さる人には刺さるピーキーな乗り味のバイクというのが当初の僕の印象です。実際僕はドンピシャでハマって、僕自身衰えるまでエンジンのオーバーホールをしてでも乗り続けようと思っています(もう後戻りできないだけとも言える)。

アップデートの変遷

09は2022年までに数度に渡りアップデートされています。

2016年モデル

  • ABSモデルにのみTCS(トラクションコントロールシステム)を搭載

2017年モデル

  • ヘッドライトが単眼から複眼へ変更
  • ナンバープレートの位置がリアタイヤ後ろのマッドガード部へ
  • アシスト&スリッパークラッチを搭載
  • クイックシフターを装備
  • フロントサスペンションに圧側減衰を搭載
  • 全体的なビジュアルの変更
  • ABSモデルのみの販売

2018年 MTー09SPリリース

  • オーリンズ製リアサスペンション装備
  • KYB製フルアジャスタブルサスペンション装備
  • ネガポジ反転マルチファンクションメーター
  • SPのみのカラーリング&シート

2021年 フルモデルチェンジ

  • 排気量がアップした新設計エンジン
  • フレーム・ホイール軽量化
  • IMUを搭載しリフトアップ・トラクション・スライド・ブレーキをコントロール
  • アップのみだったクイックシフターがダウンも可能に
  • 圧伸減衰調整が可能になったフロントフォーク
  • フロントブレーキマスターがラジアル化
  • フルカラーメーター採用、ETCインジケーター内蔵
  • プロジェクター型LEDヘッドライト
  • 5000回転からの吸気音が非常に心地よいサウンドに

2021年 MTー09SP

  • 旧SPに引き続きフロントKYB、リアオーリンズの専用サスペンション
  • クルーズコントロール搭載
  • 独自のカラーリング&デザイン

このようにたくさんの機能や装備を兼ね備えながら進化してきた09。初期の頃に比べると本当に扱いやすく楽しめるバイクになりました。もうほんとただ走ってるだけで楽しいです。(スペックの詳しい内容はメーカーサイトにて)

初期モデルは課題が山積み

僕は出た当初から初期モデルに乗り続けていますが、最初はエンジンの性能に他のものが一切付いてきていない印象を持っていましたね。

フロントサスペンションは高速や高負荷になると脆弱さが露呈し、フロントタイヤがガタガタと震えます。こんなにアクティブに走れる車両なのに肝心の足回りがダメすぎて怖い思いも何度もしました。

ヘッドライトはハロゲンなので暗く、クラッチは重い。何のオプションもなく、強いていうならABSとドライビングモードぐらい(ABS非装備モデルもありました)。当時の僕はこのバイクのことを「製造ラインの途中で出荷したバイク」と評していました。

そこから進化を繰り返す

ただその後ここまでのバイクになるとは思っていませんでした。「人を選ぶバイク」から「ハイスペックなストファイ」へ進化を遂げてきたMTー09。何より既に09に乗っている人が「新しい09に乗り換えたい」と思う出来なのです。ソースは僕です。

特にSPモデルに搭載された専用サスペンションは、乗ればすぐに違いがわかるほど。少しづつ弱点を改善しながら今の形へと昇華されていったのです。

もし大型免許を所持しているけど一度もこのバイクに乗ったことがない方がいたら、ぜひ試乗していただきたい。大型バイクは重くて辛かった方や、バイクに乗るなら遠出が多い方にもオススメしたいです。MTー09乗りもっと増えてほしい(願望)!

SPモデルは豊富な装備がウリ

どんな人におすすめ?

中型クラスに物足りなさを感じ始めた人

09なら必ず期待に答えてくれます。アクセルを開けた時のレスポンスはやっぱり中型クラスでは味わえないもの。自分の「こうしたい」を即座に形にしてくれます。

それでいて車体重量が190kg。同一ジャンルのスズキのGSX−S750が212kg、カワサキのZ900が213kg、であることを考えればかなり軽量な部類です。

SSよりもネイキッドが好きなライダーはこちらにステップアップすると、今まで以上に楽しみが広がります。

MTー25やMTー03からステップアップする方も多い

リッターバイクに乗っていた方

現在大型に乗っているライダーや元々大型バイクに乗って行った方にもオススメです!

大型車はどうしても車体が重くなりがち。MTー09はそんな重量級のバイクにうんざりしてきた方でも比較的イージーに取り回せるうえ、トルクフルな挙動で乗り手を最大限に満足させてくれます。

ビッグバイクのとりまわしに疲れてきたけど、スペックは妥協したくない方に

ツーリングだけでなくスポーツライディングにも興味のある方

普段のツーリングで不足なく走れるのはもちろんですが、サーキットを走っておられる方も結構おられるんですよね。スペックを余すことなく発揮できるサーキット走行ならますます楽しめます。

スーパースポーツで走るのには敷居が高いと感じていた方も、09なら思い通りにバイクを動かす楽しさを得られます。

ただサーキットで楽しむのは結構金銭的に余裕がないと難しくはありますが(汗)まずはショップやメーカーがやっている走行会などに参加するのが良いですね。

サーキットでも十分に走ることのできるポテンシャルを秘めている

まとめ

最高にエキサイティングで楽しいバイクなのでみんな乗ろう!(本音)

正直初期型はお世辞にも乗りやすいとは言えないバイクでしたが、多くの機能を備えた現行型なら多くの人が楽しめるバイクへと進化しました。

残念ながらこの記事を書いている時点では新車が非常に手に入りにくくなっていますが、車両供給が安定した際には是非手に入れてほしいです。

中でもSPモデルは、装備しているものを考えれば非常にお買い得です。サスペンションは普通に買うと前後で40万は下らないですからね。カラーが一種類しかないので、トレーサーGTのようにカラーが増えればよりいいんですけど。それは今後に期待でしょうか。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!