対応力に優れたフューエルインジェクション車!
フューエルインジェクション(FI)車とは、吸入された空気に霧状の燃料を直接噴射する装置の名称です。名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?ちなみに僕はバイクに乗っていながらこの仕事を始めるまで知りませんでしたorz
ここでのFI車とは「電子制御式燃料噴射装置搭載車両」を指します。昔は機械式のものもありましたが、僕は触ったことはありません。
電子制御式燃料噴射装置
アクセルの開度や走行環境、現在のエンジン回転数・温度などをセンサーで計測し、現在の状況に適した燃料を供給するシステムです。EFIやPGM–FI、DPI等メーカーによって呼称が違います。
四輪のキャブレター車はわかりませんが、二輪のキャブレターはつい最近まで製造されており、ヤマハのバイクで言えばドラッグスター250は最終モデルまでキャブレターでした。

どうしてキャブレター車ではなくFI車をオススメするのか?

以前の記事でも簡単に触れましたが、主な理由は以下の4点です。
- 年中セッティング不要
- メンテナンスはほぼ不要
- 乗り手にコツを要求しない
- 故障しづらい
よほどキャブレター車にこだわりがあるのでなければ、上記の理由だけでも十分魅力的だと思います。
年中セッティング不要
キャブレター車は環境に応じてガソリンの量を増やしたり減らしたりはできません。

キャブ車の場合根本的な燃料調整はキャブレターをバラして部品交換をする必要があります。ほとんどの人はそこまでしていませんが。
じゃあどうしているかというと、ほとんどの方は年中そのままで乗っています。冬場はアイドリングを上げて止まらないようにしたり、暖気を長くしたりですね。当然燃費は悪いし、燃調は狂っているので調子が悪くなったりします。
FI車の場合。
電子制御にすることでリアルタイムの状態を計測でき、かつインジェクターを使用することで燃料の吐出量を変えることができるんです。寒い朝のエンジン始動時は燃料を多めにできますし、走行時の状況に応じて燃料の増減も可能です。
メンテナンスはほぼ不要
この項目はあくまで燃料供給系統の話になります。他のメンテナンスがいらないわけではありません。
キャブレターは内部が汚れてきたりすると「オーバーホール」が必要になります。原因は多岐に渡りますが、毎日乗っていてもいずれは必要に迫られます。
しかもキャブレターは一つとは限りません。四気筒エンジンなら4つついているんです。その場合コストは大体35,000〜50000円くらいでしょうか。

対してFI車。確かにスロットルボディ内部がススで汚れ、センサー系統が正確に数値を読み取れなくなることで始動不良等を起こすこともあるにはあります。
しかし僕の知る限り、部品交換になることはまずありません。スロットルボディ清掃用のケミカルで内部を掃除すればパフォーマンスは戻ります。この場合の費用は10,000円以下で済む場合がほとんどでしょう。部品は交換の必要が無いですから。
また、キャブレター車もFI車も「同調」を合わせる必要があります。スロットルバルブの開度(開き具合)を調整し、全てのキャブレターないしスロットルボディの燃料量や吸入空気量を揃えるのです。
ただキャブレターと違ってFI車はそうそう狂うことはありません。仮に狂ったとしてもアイドリングが少しばらつく程度で大きな不調には繋がりにくいです。厳密に言えば調整したほうがいいのですが、走行できない程ではないですね。

乗り手にコツを要求しない
「こいつは冬場になるとアクセルを30°ぐらい開けながらキックを3回蹴ってエンジンをかけないとかからないんだ」みたいなのが無いです。中古車でそんなの掴んでしまうともうお手上げですからね。FI車はほとんどの人がすんなりかけられます。
僕の知る旧車乗りの方は「今日はかからないからバイクが俺に乗るなって言ってるわ、ワッハッハ!」みたいな人がいますが、昔のはそのぐらいの気持ちでないと乗れないバイクがあるのも確かです。マジでRCサクセションの「雨上がりの夜空に」の歌詞と同じようなもんです。
長らくバイクに乗り続けてきた人が乗る分にはいいのかもしれませんが、友達とツーリングの約束してて朝かからなかったら普通に絶望すると思うんですけど。旧車乗りは心が広い(自分調べ)。

故障しづらい
過去に125ccのFI車でスロットルボディの故障というのもありましたが、基本的には除外していいレベルです。単体のセンサーが故障することはあっても、スロットルボディやインジェクター、コンピュータが壊れることはまず無いです。
壊れるとしたら外的要因で破損した場合でしょうか。事故で運悪くECU(エンジンコントロールユニット)に相手車が直撃し、内部が完全にクラッシュしたとか。ただ僕の10年には一度も無い修理でした。
過去に電子部品周りであった修理は
- 配線が断線している
- ユニット接続部が錆びて通電しない
- ヒューズが何らかの原因で切れた
の3つが主だったところですね。この場合は修理代も驚きの安さであることが多いです。
万が一壊れると非常に高額
これを危惧してキャブレター車にしよう!と思わなくてもいいぐらいの確率ではありますが、絶対に故障しないということはありません。まず考えられないけれど、壊れた場合は高額修理になってしまいます。
それでも長い目でみればキャブレター車より安く上がるケースがほとんど。
まとめ
キャブ車ではなくFI車を推す理由!
というお話でした。
もちろんキャブレター車のいいところだってあります。買っちゃダメなワケではありません。ただ経験の浅いライダーには少し重荷になりかねないので、もしどうしてもというなら覚悟を持って購入しましょう!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!