乗りたいバイクにまたがって足が着かなくても、諦めるにはまだ早い!!
気合いで乗り切れ!とかじゃないですよ、昭和じゃないんですから。ここでは車高やシート高の高いバイクに乗るための方法、ローダウンについて解説します。
ローダウンとは
地上からシートまでの高さを下げて、またがった際の足つき性を向上するカスタムです!終わりっ!
いやまあそれで済む話なんですけど、大事なのはここから。ローダウンするには何種類か方法があるのですが、その全てにデメリットもあるというお話です。
リアサスペンションで調整
リアのサスペンションで調整することで、シートの初期位置を低くすることができます。
サスペンションリンク
リアのショックとフレームを繋いでいるリンクの長さを変更して角度を変更することで、シートの初期位置を下げるというものです。
サスペンションごと変えるというものではないので、お値段的には安く上がることが多いです。しかし車種によってが工賃がかさんだり、そもそもリンクが存在しないタイプもあります。

デメリット
リア単体で行うとフロントサスペンションとのバランスが狂い、コーナリング等に少し不安を覚えるようになります。またリンクでのローダウンは、リアショックを地面と並行に傾けていくのが一般的ですが、そうすることによってショックの可動域が狭まり、乗り心地の低下にもつながります。
ローダウンサスペンション
上記のようにリンクではなくリアショックごと短いものに交換するケース。リアショックの性能が高ければリンクで調整するよりも運動性能の低下は防ぐことができます。スプリングはどうしても短いものになるのでストローク量は減少せざるを得ませんが、減衰力調整などがついていれば補うことも可能です。

デメリット
やはりフロントとのバランスの狂いは無視できないところ。また性能を求めればどうしてもコストは跳ね上がります。ミッション車ならいいものは10万円オーバーはザラ。またローダウンタイプは単純に下げることが目的に作られていることがほとんどであり、性能は二の次というものが多いというのも否めません。
スペーサーを取り付ける
リアショックのスプリングの上部にスペーサーを挟み込み、スプリングが最初から少し縮んだ状態にすることで車高を下げる方法です。純正のサスペンションをそのまま使うことができます。

デメリット
やはり初期位置からスプリングを縮ませているので、サスペンションの稼働範囲は狭くなり、乗り心地と旋回性能は低下します。また取り付けに専用工具が必要で、自分でやろうとすると大惨事になる可能性があります。
シートで調整
そもそものシートの厚みを減らしたりすることで高さを下げる方法です。
シートあんこ抜き
昔から存在する手法。シートの中身のスポンジを任意量抜くことで、シートの高さを下げるというもの。比較的安価で、車両の性能を落とさずに行うことができます。

デメリット
抜く量にもよりますが、びっくりするぐらい座り心地が悪くなります。長距離はまさに地獄。元々厚みのあるスポンジであれば問題ないのですが、薄めのものはそもそも抜けないという難点もあります。
ローダウンシート
シートごとローダウンタイプに交換するというもの。内部の素材を変えたりすることで沈み込みを深くするなど、あんこ抜きよりも座り心地に長けたシートが多いです。
デメリット
リアショックほどではないですが高いものが多いです。大体3〜5万円ほど。また車種によってはローダウンシートそのものが存在しない可能性もあり、あんこ抜きができないほど純正シートが薄い車種になるとそういった傾向があります。スーパースポーツタイプ等がそれに該当しますね。
リアのローダウンと並行して行う作業
リアサスペンションだけで下げてしまうと後ろだけが下がった状態になってしまい、コーナー時の前輪と後輪の傾きがチグハグになってしまい非常に乗りにくいです。その為リアの下げ幅に合わせてフロントを変えていく必要があります。
また「ローダウンキット」と言われるものの中には、前後部品がセットになっていることも多々あります。
フロントフォーク突き出し
リアショックでローダウンを対処する場合、下げる量によって行う措置。トップブリッジ部分からさらに上部にフロントフォークを突き出して、前を下げる方法です。リアショックを調整や交換する際に、突き出し量が指示されていることも多いです。

デメリット
フロントフォークが短くなるのと同義なので、やはりコーナーリング性能が低下します。下げる量にもよりますが、とても曲がりにくくなります。重心が下がることで車体をバンクさせづらくなるのです。アメリカンバイクを想像していただけるとわかりやすいかもしれません。
ローダウンフロントフォークキット
フォーク内部のスプリングやカートリッジ、スペーサーを専用のものに交換する方法です。先述のローダウンキットに含まれていることが多いです。ローダウン用のリアショックに合わせて製造されているので、バランスは抜群です。
デメリット
とは言えやはり重心が低くなってしまうので、コーナーで性能は落ちます。また高価なものが多く、前後で20万円を超えるものも存在します。工賃も含めるとさらに金額は増します。
ショートサイドスタンド
車高が低くなると純正サイドスタンドを立てた際に車体が起き上がりすぎて、右側に転倒しやすくなります。それを防ぐため、短いサイドスタンドに交換する必要があります。純正を短く加工してもらう方法もあります。
デメリット
特にこの部品だけでデメリットがあるわけではありませんが強いていうなら、デザインを選べるほど種類がないことと、ローダウンキットを外した時に車体が寝過ぎるということぐらいでしょうか。
それでどのくらい落とせるのか
車種にもよると思いますが、前後サスペンションでローダウンできるのは4cmまでが限界でしょう。あまり下げすぎると車体の安定感が損なわれるためです。さらに下げたいのであればあんこ抜きで+αという感じです。
ローダウンはどのぐらいからしたほうがいいのか
僕は慣れたら大丈夫そうというのであればしないほうがいい派です。余計な経費がかかることと性能を低下させることが主な理由です。そのうち慣れるだろうという範囲ならばノーマルが望ましいです。
ただ不安に感じて乗ることを恐れるぐらいなら取り付けましょう。ローダウンは何よりも精神衛生の面での効果が大きいです。つま先しかつかないバイクを普段から乗る人も結構いらっしゃいますしね。不安を感じないのであれば大丈夫、逆に心配なら付けておくに越したことはないです。
まとめ
ローダウンをすると
この4点は押さえておく必要があります。
ただし!これはあくまでノーマルと比較した話です。
メーカーがリリースしているローダウンキットが走行困難なレベルで下がるわけはありません。あくまで旋回性能や安定性を失いすぎないバランスで作っているのですから。
つまり新車購入時からなら気が付かない人もいるんです。ただ現在乗っている人がローダウンすると「なんか変な感じがする」可能性があるので、把握しておく必要はあります。
世の中にはローダウンは甘え!みたいな人もいるのですが、楽しく乗れるならそれに越したことはないのです。あんまりオススメはしませんが、前後のバランスも極端に狂っていなければそのまま乗ることだって可能です。
デメリットを踏まえた上で、自分に必要だと思うならぜひやるべきカスタムです。それでバイクに乗れるようになるなら何の問題もありません。ただしやり過ぎには注意しましょう!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!