原因が色々あり過ぎる!だから自分で見れるところから!
時々来られるお客さんの中に「燃費が落ちたんだけどなんで?」って聞かれて、「普段からメンテナンスしてないツケですよ」とは言えず。でも難しい故障じゃなくて簡単な原因も多いんです。
自分で確認できること
もちろん人によりますし最終的にお店任せでもいいですが、自分で確認できることもあるんです。
タイヤの空気入ってない
ペコペコタイヤは燃費ガタ落ち!地面と接触する部分が多すぎて抵抗になってます。車の場合は50kPa(キロパスカル)低下していると3~5%の燃費低下になるそうです。
バイクに場合は定かではありませんが、大体そのぐらいな気も…でもバイクの空気圧は空っぽになるまで放置してる人も多いです。「乗りにくくないですか?」って聞いたら「めっちゃハンドルが重いです」って。ほなもっと早よ来なされ。
さらに空気圧に低下はタイヤが潰れてしまうので一回転あたりに進む距離も減少してしまいます。メーターで表記される走行距離は適正空気圧想定だから、実際よりも多く走ってることに。
タイヤに空気なんてガソリンスタンドでもバイク屋でも大体無料でやってくれるんだから、2か月に1度ぐらいは行きましょう。本当にパンクの場合は修理するかタイヤ交換をショップで依頼しましょう。


チェーンの調整不良
これはチェーンドライブ式のバイクに限ります。長い間走行しているとチェーンが伸びたりスプロケットが摩耗したりしてきます。

そうするとエンジン側からの動力伝達がスムーズに行われなくなり、結果として燃費が低下してしまいます。適正な張りを維持することで回避することができます。
特に125ccクラスに使用されているノンシールチェーンは、調整が必要になるタイミングが早いので、こまめにチェックしましょう。

ブレーキの引きずり 調整ミス&要オーバーホール
油圧タイプでもワイヤータイプでも起こりうる現象で、とりあえずバイクを押し引きしてみましょう。
重ければタイヤの空気をチェック。規定量入っている&入れても重ければ疑わしいポイントです。前輪・後輪をそれぞれ単独で手回しして、スムーズに回るかどうかをチェックします。
センタースタンドがある場合は使用するとかなり楽です。なければジャッキで持ち上げたり、誰かに手伝ってもらって片輪ずつ確かめましょう。
ワイヤータイプ
ドラムブレーキに場合がほとんど。ワイヤーを絞って調整するためのネジがついています。

これを締めすぎて引きずりを起こしている場合もあるのでまずチェック。バイク屋でついでにやってもらった時に締め過ぎた(まず無い)とか、友人や家族に貸した後とかにブレーキレバーの遊び量が変わっていたら見てましょう。
ちなみにこれはリアブレーキだけど、フロントがドラムでワイヤー調整式のものもありますよ。
油圧タイプ
こちらのケースはAmazonとかで安いカスタムレバーをつけた時にありがち。

何もしていなければあんまり考えにくいポイントではありますが、転倒時のレバー湾曲等でごく稀に起こったりすることもなくはないです。
調整でどうにも出来なかった
となると手に負えない可能性が出てきます。ワイヤータイプなら中が錆びてレバーが戻り切らないとか、油圧タイプならブレーキオイルに水が混じって容量が増えたせいでピストンが戻らないとか、自分で気軽にはできないものですね。
でももし引きずりが確認できたらそれだけで大収穫ですから。後の作業はショップでやってもらいましょう。
ガソリン漏れてるor滲んでる
古いバイクで良くあるパターン。ダイレクトに外へ出ていくのですぐにわかりそうなものですが、じわじわ進行することもあるので気付きにくいことも。特にキャブレター車は元々ガソリン臭いこともあって尚更です。

この辺りが原因としては良くありますね。ごく稀にタンク内が錆びて穴が開いたり、フューエルインジェクション車でタンクのガソリンポンプ取り付け部から漏れることも可能性としては存在します。発生頻度はそんなに高くありませんが。
特にキャブレターは車両によっては外から確認することができないものもあるので、じわじわと悪化の一途を辿ることも。しかも滲んでいる程度であればエンジンはかかるから余計に発覚しにくいです。
距離から想定出来ること
バラさずとも走行距離から、汚れていたり劣化しているのがおおよそ推測できる箇所もあります。
エアクリーナが詰まって空気がちゃんと吸えてない
バイクは空気とガソリンを混合したものをエンジン内で爆発させ、稼働させています。その際に吸入する空気はエアクリーナー経由して流入してきます。「エア」の「クリーナー」なので当然空気を綺麗にしてくれるんすね。

これの汚れ具合をコンピュータ側で判断したりは出来ず、空気流入量が下がったのをある程度考慮してくれる程度。第一そんなに空気量に合わせてガソリンを絞ったらエンジン止まっちゃいますしね。
キャブレター車はセッティング次第。当然綺麗な状態を想定しているので段々ガソリンは濃くなっていってしまいます。

本来ガソリンは燃焼室で爆発を生み出した後、排気ガスとして放出されます。しかし上記の場合は燃え損ねて燃焼室でカーボンという燃えかすとなって残留したり、そのまま気化したガソリンがマフラーから大気開放されたりします。
エネルギーを生み出せなかったガソリンは当然無駄になってしまうので、燃費が落ちるのです。
交換時期
マジで車種毎の差が大きいです。僕の乗ってる09は20000kmでも余裕です。時々開けて中に飛び込んできた虫や葉っぱを掃除しておけば事足ります。
しかしスクーターはスパンが早い。ジョグやビーノは早い人で5000〜6000km。シグナスなら10000kmぐらい。マグザムという250ccスクーターは3000kmでダメな人もいました。
使用環境と車種に大きく左右されますが、スクーターは10000km走って一度も変えていないならやっておくに越したことはありません。ミッション車は吸気口が上の方についているのでそんなに汚れませんが、先述の通り時折開けて中の大きなゴミをとっておくといいです。
スクーターはプラスドライバー一本で開けられるものも多いですが、ミッション車はフューエルタンク下に位置していることも多く、少し難易度が高いです。
スパークプラグが劣化している
エアクリーナーと同じで燃焼室で綺麗に燃えない原因となります。ガソリンと空気の混合気を圧縮したものをスパークプラグの火花で着火させます。その際火花が弱かったりするとエンストや不完全燃焼の原因となります。


主に中心電極が摩耗して段々と接地電極との距離が開き、結果として失火(火花が起きない)します。プラグギャップは大体0.7〜0.9mmぐらいが初期値で、たった0.1mm開くだけでも大きく影響してきます。
スパークプラグがエンジンで火花を発生させるために必要な電圧は、大体1万〜3万ボルトです。対して一般的に空中に放電する際は1mmで1000V必要です(条件によって変わる)。それを考えればいかにエンジン内部が高負荷状態であるかがわかっていただけるのではないでしょうか?
更に一度だけでは無く断続的に安定して火花を発生させなければいけません。例えば最近の50cc(4サイクルエンジン)ならアイドリング時は1500〜2000rpm(1分で2000回転)ぐらいです。その間スパークプラグは2回転に1回点火しています。つまりエンジンをかけて停車している間でも1分で750〜1000回火花が発生しているんです。
だからこそ上記のようにプラグギャップが開いてくると失火したりすることが増え、その結果燃費が低下するんですね。

交換時期
50ccは5000kmでダメになることも多々あります。他のスクーターの場合は10000kmぐらいが目安でしょうか?大きなバイクになるとめちゃくちゃ長持ちすることもあり、僕は30000kmぐらい走った時に「タンク外したついでやから変えとくか〜」で変えました。
プラグの数が少ない、排気量の小さいバイクが交換スパンが早いです。125cc以下の車両に乗っておられる方は、10000km変えていないなら交換しておいて間違い無いでしょう。
後書き
これが燃費が低下する全ての理由ではありません。「比較的すぐ確認できて、自分でもなんとかできそう」なものを紹介しています。最初に言いましたが、考えられる原因があり過ぎるんです。
例えばホイールのベアリングという部品が劣化するとタイヤの転がりがスムーズに行かなくなり、燃費に影響するというのもあります。
でもそれをチェックするにはホイールを外し、もしダメならベアリングを打ち替える必要があるわけです。それが出来る人はもう自分で燃費低下の原因探せるやん!ってことですね。
整備士でなくても知識や工具が無くてもできることはあるんです。そうすることで安く済むこともありますからね。でも不安ならショップに相談してね。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!