初心者向け

マスツーリングのような複数で行くバイクツーリングで気をつけたいこと

楽しい楽しいツーリング!でも何も考えずに行くと大変!

みんなで行くと楽しいに決まってるツーリングですが、先導する側もついて行く側もそれなりに押さえておくポイントがあります。

先導する側・慣れている人

ソロツーリング等で慣れている人も、誰かと一緒に行くツーリングは少し勝手が違います。目的地だけ決めて出発!は慣れた人間だけで行く時はいいですが、経験の浅いライダーと行く時には避けましょう。

事前に行程表を配る

事前にこれをしておくと当日すごく楽です。通過ルート・休憩場所・気をつけることなどを書いたものを渡しておくといいです。

ツーリング経験が浅い人は慣れている人より色々なことに神経を使って走行します。「道を間違えないように」「置いていかれないように」等です。その分いつもより他の車や道路状況の把握が疎かになりがちです。

そういったことをある程度緩和するためにこういった資料作りは有効です。

前もって作るのは大変ですが、事前に渡しておくと皆が準備しやすいでしょう

あらかじめ連絡手段を決めておく

バイク走行中はヘルメット装着タイプのインカム等でやり取りをすることができますが、持っていなければ真横に並ばなければ会話できません。

並走して会話するのはめちゃめちゃ危ないので止めましょう。では何かを伝えたい時はどうすればいいか。

僕がツーリングをしていた際は、3種類のハンドサインを決めていました。トイレ・給油・異常の3つだけです。これさえ決めておけば後はどうとでも応用が効きました。

というのもトイレを表すハンドサインは最寄りのコンビニや道の駅、施設等に停車することを意味していたため、「水分補給」「空腹」「休憩」という意味合いにも使用できたためです。左手を上げる・左手を真横に・左手で地面を指すの三種類にしていました。

そうすればある程度意思の疎通は取りやすいでしょう。

簡易的ならこれでも十分

スピードに気をつける

排気量・車種・個人の技量によって走行速度は変わります。先導する人間は自分の一番走りやすい速度で走ってはいけません。後続が置いていかれる可能性があるためです。

置いていかれた後続車は追いつこうとします。他車に追いつくための走行というのは非常に危険です。前の車と後ろの車が同じ状況で通れるとは限らないからです。

追い越しや追い抜きはご法度。もし後続車が遅れた場合は、一般道なら安全な場所で停車して待つ、高速道路なら停車すると危険なので次のサービスエリア等で合流しましょう。

スピードを競いたいならサーキットへ行きましょう

下見に行く

先に行っておくと僕はやりません。なんというか…興が削がれちゃうからでしょうか?

下見のメリットは当日通行止めになっている場所や、仲間内の技量や車種を考えて迂回ルートを探すことができる等多くのメリットがあります。

実際に当日走行のコースを走ることで気がつけるところも多々あるので、予定が組みやすく安全に走行することが可能でしょう。コンビニや道の駅も実距離感が掴みやすく、休憩ポイントの設定もスムーズです。

ただ行程表作りと同じく事前準備となるのですが、一日使うことになる上に自分は先に目的地まで到達してしまうわけです。映画やゲームのネタバレに近いものがある気がして僕はやったことがありません。ただ確実性で言うなら最も高いです。

代替案として

グーグルアースやグーグルマップを使って事前にチェックした上で、ヤバそうな山道は迂回路を最初から用意しておきます。冬季は通行止めになっている道も非常に多いですが、ネット上に書かれていないことも。

ですので最初からダメなパターンを想定しておきます。手間は増えますが下見に行くほどではありませんし、何より二度同じコースを走る虚脱感からも解放されます。

グループを分ける

人数が多い場合はグループを分けて走るのは有効です。1グループ3〜4人ぐらいがちょうどいいのではないでしょうか?走行時にも無理がなく、後続を待っても邪魔にならず、先導も後続を見やすい。

グループごとでコミュニケーションをとり、不測の事態をリーダーに連絡する、というスタンスであれば、1人にかかる負担はグッと下げられますし、それでいて安全性は上がります。

経験値が高めの人間をグループに1人づつ割り振ることで、スムーズにツーリングを進めることができるでしょう。

細かくグループ分けをするとリーダーの負担は大幅に軽減できる

経験浅いライダーに乗り方を細々指南しない

ツーリング中は色々と気を使わなければいけないことが多いです。そんな中ベテランライダーの教えは役立つことも非常に多いです。

しかしツーリング中に何度もそれを言われると、他が疎かになってしまい危険です。ただでさえ慣れていないツーリングにマルチタスクを要求するのは愚の極みです。

目的地到着後に一言アドバイスするとか、帰る前に「今日はこんな感じだったけど大丈夫?」等伝えてあげるのがいいと思います。親切で伝えていることでも迷惑になることがあるということを覚えておきましょう。自分ができたことが他人がすぐできるとは限らないのです。

アドバイスは伝わって初めて意味を成す

経験が浅いライダー・ついて行く側

「バイクに乗ってツーリングは初めて!だから前の人だけ見てればOK!」ではありません。前の人とはぐれたらどうするんですか?何よりその考えははぐれた時にパニックに陥りがちなので、本当にやめましょう。

道を覚えてくる

ウチでもツーリング企画をやってます(最近はコロナでできてません)が、どのライダーにも必ず伝えていることがあります。それが「道を必ず覚えてくること」です。(無理なら携帯ナビに経路を入れてくる等)

僕が働き始めた頃はみなさん、「店の人について行く」ツーリングとなっておりました。しかし多い時は先導する従業員の10倍以上の人数が参加していて、なかなか全員を見ておくのは無理がありました。というか無理でした。

そんな人数の人間が縦長にずらずら並べば、信号で切れることも多々ありますし、途中にゆっくり走る方がいればどんどん分断されます。もう先頭の人間は最後方で何が起こっているか把握できませんし、後方の追従車も前の様子など分かりません。

そこでウチでは事前に参加者に上記の行程表を渡し、全員に必ず道を覚えてくるようにお願いしました。そうすることで「絶対についていかなくちゃ!」という思考から解放され、ばらけても皆が不安になりにくくなったのです。

不安なら途中の休憩などで聞いておこう

必要以上に固まらない

上記の続きですが、置いていかれることを怖がるあまりに、車間を詰めがちな方がいます。さらには並走したり、真後ろにつけたり。

めちゃめちゃ危ないです。

もし1人転倒するようなことがあれば全員巻き込まれるわけですから。なんだったら後ろを走るあなたがお仲間を引いちゃうことだってありえるんですよ?

会話したいならインカムで。くっつきたいならタンデムで行きましょう。そうでないならしっかり車間を取って走行しましょう。

密集しての走行にはリスクしかない

無理な速度で走らない

いつも自分が出しているスピード、安全に走行できるスピードで走るのが一番です。皆が少し早いとしても無理をしてついて行く必要はありません。

ただしそれを体現するには最初の項目「道を覚えてくる」が必須です。それができていれば最後方から追いかけることになっても焦らずに走れます。

道を知らない=無理についていくという構図になりがちなので、まず道を覚えてきて、それで自分の速度で走るように心がけましょう。

そもそも車種ごとの違いも大きく、出せる速度も違う

どんな時でも焦らない

僕がバイク乗りたての頃に先輩から言われた言葉があります。

「日本国内やったら道も言語も繋がってるから、大体なんとかなる」

かなりアバウトで大雑把な言い回しですが、実際そうだと考えています。もし道に迷うことがあっても、それが国内である以上どうにでもなるのです。

西に行こうとして東向きの高速道路に乗ったとしても、料金所で事情を説明して乗り直せばいいですし、一般道で道を間違えたなら引き返せばいいんです。なんならその道から行けるなら行ってもいいんですよ。

決まった道から外れたり、仲間とはぐれたとしても焦らない。スマホもあれば誰かに聞くこともできる。パンクしたり転倒したってロードサービスがあるし、どうにもならないことなんて意外と少ないんです。

だから絶対に焦ってはいけない。パニックになるとそれが原因で二次災害を起こす可能性が非常に高いです。正常な判断ができなくなる恐れがあるためです。

パニックになると正常な判断を阻害する

ぼくがかんがえたさいきょうのつーりんぐ

まあ別に最強でもなんでもないんですけど。リスクを考慮するならこれが一番だと考えて僕がプライベートで採用しているツーリング方法です。

それは「各個走行」です。休憩ポイントと一応の集合時間だけ事前に決めておき、そこまでのルートは自由。全員がバラバラで行くというものです。

とはいえ同じところを目指しているので合流したりすることもあるわけです。しかしついて行く必要がないのでプレッシャーは激減。道交法の範囲内ならどんなペースで行こうと自由。下道でも高速でも構いません。

休憩ポイントで全員揃っているかを確認します。自由でありながら休憩地点を割り振っているのは、異常に気がつく為・休憩を忘れがちな為・情報共有の為の3点です。

感覚としては「みんなでソロツーリング」という感じですね。慣れた人同士ならおすすめです。

後書き

楽しむために行くツーリング。だけど準備不足で非常にネガティブな気持ちだけを残してしまうことも考えられます。

連れて行く側も連れられる側もきちんと準備をして、お互いに思いやりながら走ることで素晴らしいツーリングは生まれます。ツーリングに慣れた人が偉いわけでもなければ、初心者だから何もしないでいいということでもないです。

皆で協力して、楽しい思い出を残せるようにしたいですね。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!